[終了]2024年12月28日 Yuki Kawana: Atmospheric Margin  Record Release Show in Tokyo@渋谷HOME

17:30 Open 18:00 Start
Adv / 3000円(+1Drink)
Day / 3500円(+1Drink)

Yuki Kawana Band (US)
LOOLOWNINGEN & THE FAR EAST IDIOTS
Paris Death Hilton
Ryo Hamamoto The Band
DJ chicchi (bluestars night / Lazyperfection)

 

・『Atmospheric Margin』をめぐるあれこれ

(文ハマモト)

 日本とアメリカの両方に片足ずつ置くユキ・カワナのアンビバレントな境遇は、特に僕のようにアメリカで育った者他人事じゃないというかシンパシーを感じます。でも本当は、日本のロック・ポップスだけでなくカルチャー社会全般自体が、自覚的・無自覚かかわらず日米の両義性の中で鳴らざるを得ない。というか、逃れられないのである、楽器一つとったって。

だけど、何もアメリカにわざわざレコーディングしに行ったからといって、必ずしも必然性のある作品が作れるわけではないのだ。場合によっては逆効果だったりもする。そういう意味でも、僕などは本作が結構な重要作なんじゃないかと、思うわけです。

 『Atmospheric Margin』は彼女のアメリカでの生活と、日々呼吸する空気の中で結実したアルバムだ。間違いなく現地の、地元での暮らしの中でしか集音できないサウンドと活きた演奏である。一時期滞在するビジターでは、なかなかこうはいかない。そこに芯の通った日本語詞の歌が鳴り響いているわけだが、何も”洋楽”になりたいのでもない。もっと必然性に満ちた歌とサウンドだ。海外勢の演奏をバックに日本語の歌なんて前例はいくらでもあるけど、今作がなぜかやたらユニークに聞こえるのは、実際に暮らしている中でレコーディングされたというこの必然性故じゃないだろうか。それは図らずも、日本が抱き込んでしまった両義性への、一つの解だ。そして少なくとも僕は、このような”解”は他にあまり聞いたことがないのである。

などと、僕がごたく垂れる以前に優れたオルタナポップ・ロック的ソング集であることは言うまでもない。

 今回のリリースイベント、共演には東京からLOOLOWNINGEN & THE FAR EAST IDIOTSそしてParis Death Hiltonという猛者が揃ってくれました。”オルタナ”というタームにはいつの間にかいろんな意味とイメージが付着しているけど、本当の意味でオルタナティブなバンドと問われると、僕はこの2バンドがすぐに思い浮かびます。

 そう、単純に僕がファン、という理由でのオファーなのですが、当日アメリカから来たYuki Kawanaと Bandの面々にも観て欲しい、というのが大きい。LOOLOWSとPDHのライブにヤラレて、思いのほかでかいお土産をアメリカに持って帰ってほしいわけです。

  今回のイベントのホストというか、主なキュレーションを担当している私ハマモトもバンド編成で出演します。今回は久しぶりにパワートリオ的な編成で、ベースにおなじみガリバー鈴木、そしてドラムに波照間将(ハテルマ・マサル/Pai Patiroma)を迎えます。彼とは25年ぶりくらいに音を出すので個人的には大事で、どんな演奏になるか楽しみにしています。