Ryo Hamamoto & The Band
『Reprizes』 Release Party Archive

2023年12月15日を振り返って

2023年はようやくリリースが叶った年になりました。7年ぶりって、どんなスタンスだ、って話ですが、今思えば必要な年月だった。この時代の音楽のあり方を思えば、とっくに身につけていなければならないあれこれを、やっとのこと習得できた期間だったようにも思います。技術的なことだけに限らず、周囲の人々とどう関わるか、みたいなことも含め、必要な期間だった。
僕はどうも他人より学習や進歩の順番がおかしいのかもしれない。あることについてはすごく早くに、とっくに理解しているのに、他の人間がとっくに身につけているもので知らないことがあまりに多いように思う。しかしこの7年の間に、絡まった糸を解いてゆくような、眠ったままだった化石を掘り起こすような、知らぬ間にくすんでいた窓を拭き掃除するような、草を刈りながら前進するような、いろんなプロセスがあった（詳しくは書かないけども）。その分の蓄積と甲斐のある作品になったと思う。

12/15のレコ発ライブも、やはりそういうことの結果として、反省点もあるもののやれるだけのことができた、という感触があった。これまでは、やれるだけのことをやろうにも混乱していてやり切る前に疲弊する、みたいな状態だったが、今回は少し違う。おそらく僕は何十年もひどく混乱していたが、ここ数年でいろんなことが急速にわかってきた（詳しくは書かないけども）。

『Reprizes』レコ発のメンバーは全員、元々はかなり別々に活動していたというか、それぞれ互いに接点がそれほどなかった。僕個人とはそれぞれとの関係性を築いてきた間柄だが、それぞれは同じシーンにいたわけでも、キャリアもやってきた音楽もまあまあ違う。それが今回、一斉に音を出した最初の数十分、何か特別なものが生まれる気配がしたのだ。その特別さの正体を突き止めるまでには至らなかったが、ライブを終えてみれば、程度の差はあれど、全員かなり納得いったような、満ち足りたような表情と空気があった。僕としては（みんなも同様だろうが）同時に修正点も山ほど見つかったが、それはまだこの編成をやる余地が十分残されている証拠であり、“特別なものが生まれる気配”の正体を突き止めるにはまだ早い、まだ先がある、ということなのだろう。まだ日の浅いバンドだし、ライブもリハも数時間しかやってないわけだし。何せ僕はまだやりきった感はない。

ただ、レコ発＋リリース日である12月15日に至るまでの日々は、なんとかまあまあやりきったように思う。その過程で、作品の音だけでなく、ライブ会場、演奏面、アルバム・デザイン、WEB、いろんな方面を気にしなくてはならない僕に、多大な助力/協力をいただいた各位、そして何より作品を購入してくださった方、サブスクで聞いてくださった方、ライブに足を運んでくださった方々に、感謝しています。

懲りずに2024年もやりますので、そこかしこでお会いしましょう。
どうか良いお年を。良い年にしましょう。

ハマモト